ビーチもインフレ

日本同様、日に日に物価が上がっているイタリアですが、
値上がりはレジャー分野にも押し寄せてきています。

ローマから日帰りで行ける代表的な海岸線の街は、
オスティア、フレジェーネ、トロヴァイアニカ、
サバウディアなど。イタリアの浜辺は、スタビルメント
(いわゆる海の家)が管理している場所とフリーのビーチに
分かれていますが、ほとんどはスタビルメントに占領されています。

スタビルメントの多くはオーシャンビューのバールやレストランを持ち、
駐車場があって、パラソルやデッキチェア、更衣室(シーズン契約)の
貸し出しをしています。

浜辺を頻繁に清掃したり、砂をならしたりなど、
きちんと管理されているビーチなので、
1日のんびりと快適に過ごすことができる反面、有料です。

各スタビルメントは市と契約を交わし、ビーチ使用料を支払っていますが、
この使用料が値上がりしたことで、そのしわ寄せが消費者にも
及んでいるのです。
ローマ近郊の浜辺にあるスタビルメントは約600軒と言われていますが、
今年になってから平均して5%から10%の値上げをしたため、
どこも客足がやや遠のいているのだとか。

そこで、各スタビルメントは様々なキャンペーンで客確保に乗り出しました。
土日の16時以降にデッキチェアを借りた場合、通常の8ユーロが4.5ユーロに、
平日の14時以降は3ユーロでレンタルできるという
デッキチェアのハッピーアワー、デッキチェアとパラソルを
借りた人が、同じスタビルメント内のレストランでランチを
食べると割引になる、等々。

お弁当持参でフリーのビーチに鞍替えする人たちを、
スタビルメントに呼び戻すためにあの手この手で四苦八苦しています。
ただ、フリーのビーチは無料とは言え、市が管理しており、
清掃が追いつかないため、ゴミが放置されていたり、
砂浜が荒れていたりなどのデメリットも多々あります。

商魂逞しい市は、スタビルメントに対しフリービーチの清掃を
する代わりに、そこでの飲み物や食べ物の販売を許可し、
パラソルやデッキチェアを安価でレンタルしてもいいと、
いうことで合意したようです。

アッティコ・ローマ
村本幸枝

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