イタリア料理修行日記

もともとコックではなかった私が、生パスタの虜になり、
イタリアまで料理修業に来てから、早いもので10ケ月が
過ぎ去りました。

イタリアに到着して3日後にレストランへ働くことに
なった私は、最初、言葉も分からず苦労の日々でした。
でも、料理がものすごく好きなので、毎日料理に関われる
ことに単純に感動する日々でもありました。

思い出すと笑ってしまうのが、
到着して間もなく、営業時間のラッシュのとき。
シェフに言われた「Lascia la’ (そこに置いておけ)」の
一言が分からなくて、すごく動揺した私。
「ひゃー、“ラッシャ ラ”って何?!」 

それからは料理と言葉をひたすら覚える日々。
単純に頑張るだけの日々は本当に楽しいものです。

あっと言う間に数か月が過ぎると、イタリア人と
喧嘩のような言い合いをするようになっていました。

思った時に言い合っていたので、あとに引きずることがない。
そんなこんなで時を過ごしていたら、
イタリア人たちとすごく仲良くなっていました。

やがて修行をしていたヴェネチアのお店を去る日が来ました。
私が働いていたお店では仕事の最終日には、
“ガベットーネ”というものがあるとのこと。

なにかと言うと、辞める人は最終日に水をかけられるという儀式。
最終日の一週間前から「着替えを持ってきたほうがいい」
「水着で来い」「りえはヴェネチアの海に落ちるんだ」とか、
散々言われていたけど、どうせ脅しだと思って「はいはい」と、
簡単に流して聞いていました。

そして、最終日の営業が終わり調理場の掃除をしていたら。。。
いきなりバケツいっぱいの水がドーンっと降ってきたんです。
まるでドリフみたいに。

そのあとも水かけ集中攻撃を受け、頭の先からつま先まで
ビショビショ。これも修業のうち?
帰国したらこれもいい経験になるんだろうな…(笑)

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吉原里恵 (よしはらりえ)
女子栄養短大を卒業し、食品会社の研究所で成分分析の仕事に
5年間携わる。生パスタの魅力に取りつかれてイタリア料理を
知るべく、アッティコのイタリア語教室へ通うように。
その後、料理修業のためイタリアへ。
イタリアに来て9ヶ月。ヴェネチアで半年修行の後、
1か月半イタリアを周遊。現在はエミリア・ロマーニャ州の
POVERO DIAVOLOというレストランで修行中。

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