正真正銘のアデージョ

『高松宮殿下記念世界文化賞』演劇・映像部門で受賞をし、
来日している生ソフィア・ローレンにお目にかかれるとあって、
昨日はイタリア文化会館へと足を運びました。

受賞を記念してイタリア文化会館ではソフィア・ローレンの写真展
とともに、明日まで彼女の代表作を上映しています。入場は無料。
上映のホールは400席弱と広くないので、じっくり鑑賞できますよ。
ここをクリック!

とくに明日16日、16:30から上映が予定されている、
『特別な一日(Una giornata particolare/エットラ・スコラ監督)』は、
私がもっとも愛するローレン主演の作品でもう5回以上は観ています。

ムッソリーニがローマのヴェネチア広場にあるヴェネチア宮殿から
国民にむかって大演説をしたあの歴史的な『特別な一日』に、
それぞれの理由で居残り組となったローレンとマストロヤンニの
『特別な一日』を描いたとても静かな作品です。

素晴らしい映画なのに日本で知る人は意外に少ないのが残念。
ちょっと紫がかったグレー調の映像に映し出される
ソフィア・ローレンがとても美しいです。
上映される機会もそうそうないと思うので、ぜひ、足を運んでみて下さい。
ちなみに私がこの映画を観たのは高校生の頃。真夜中のNHK教育テレビで
字幕で放映していたのですが、それ以来、マイ・ベスト映画のひとつに
なりました。

さて、そのソフィア・ローレンですが、
とても、とても、76歳とは思えぬ艶っぽさにびっくり!
テレビで見ても若いなぁ〜と、いつも感心しますが、生で見ても同じ!

以前、ローマで『ニキータ (主婦と生活社/現在休刊)』という雑誌の
お仕事をさせて頂いたことがありますが、文中の至るところに、
『艶女(アデージョ)』『地味女 (ジミータだったかジミーナだったか…)』
なんていう造語があって『なるほど』と、思わず腹を抱えましたが、
ソフィア・ローレンは正真正銘の『アデージョ』でございました。

胸元がざっくり開いたジャケットから覗く谷間のお肌はつるつる。
顔も張りがあってつやつや皺なし。
上映前に現れるはずが、予定より1時間遅れで登場したため、途中で
上映中の映画がぷつっと切れてご本人舞台に登場、という、まあ、
有名人だから許されるハプニングもありましたが、客席に向かって
何度も投げキッスをするほど、ご機嫌でした。

『生涯現役』の言葉がぴったりのソフィア・ローレン、
一見の価値ありました(笑)。

アッティコ 村本幸枝