寂しくもあるイタリアのクリスマス

クリスマスシーズンがやってきましたね〜。
ローマの目抜き通りのひとつ『コルソ通り』も
今日からクリスマスのイルミネーションがライトアップ!
ヴェネチア広場からポポロ広場まで続くコルソ通りの上部に
50万個のLEDライトによる光の絨毯が輝いているそうです。

イタリアでは(多分、欧州のどの国も)クリスマスは家族と
カウントダウンは友達や恋人と過ごすのが一般的です。
遠い昔(イギリス留学時代)、それを知らずに友達とクリスマス
のシーズンにスペイン、ポルトガルとまわったのですが、
店は閉まってるわ、街はシーンとしてるわで、なんだか寂しい
気分になった記憶があります。

その後、イタリアで暮らすようになって、
クリスマスというものの特別な意味を知ることになりました。
(日本のクリスマスはイベントっぽいですからね)

当時(これまた遠い昔)、私がローマ中心部のブティックで店員
をしていた頃のこと。同僚のひとりに両親をたて続けに病気で
亡くし(おまけに一人っ子)、19歳にして天涯孤独の身という
イタリア人の女の子がいました。

彼女には3年ほど付き合っているBFがいましたが、
彼はちょくちょくお店にも遊びに来ていたし、二人はいつも
行動を共にしていたからクリスマスもてっきり彼と過ごすのか
と思ったら毎年別々だと聞いてびっくり。

クリスマスは家族と過ごす行事。
親族が集まるクリスマスに他人(しかも異性)を招待すると
いうことは真剣にお付き合をしているという意思表示になる。
若い彼はそこまでの心の準備はできてなかったんですね…。

とは言え、事情が事情なだけに一人きりで家族のいない彼女
を3日間(12/24, 25, 26)も放っておくのはありなのか…。
私が彼だったら彼女が可哀想で居ても立っても居られない、
そんな気持ちになると思うんですけどね…。
(真剣に付き合っていても後に別れることだってあるし)

そういえば、アパートをシェアしていたスウェーデンの友達が、
自国ではクリスマス時期にもっとも自殺者が多いと言っていた
ことがありました。家族が集まり賑わうクリスマスは、
いっぽうで家族のない人にとってみれば孤独が浮き彫りになる
時期でもあるんですね。

まぁ、最近はイタリアでもお一人様やバツ1さんの増加に伴い、
友達同士で集まるクリスマスも増えているんですけどね。

アッティコ・ローマ
村本幸枝