イタリアでのタブー

イタリアでのタブー。
「してはいけないこと」で盛り上がりったのは、
10日(日)アッティコで開催した座談会パーティ。

「体から発せられる音はすべてタブーです」

そう言い切るのは、ミラノ出身とは思えないほど
表情が豊かでローマ的ノリノリキャラのキアラ先生。
(ローマ語学学校イタリアイデアの校長)

体から発せられる音…?
まぁ、おならやゲップは言うまでもないですが、
スパゲッティをずるずるとすするのもNG。
(だいぶ減りましたがまだ時々います、そういう日本人)

キアラ曰く、
「以前、ミラノで教えていた語学学校は日本人の生徒
がクラスにたくさんいてね、最初は我慢していたけど、
ある日どうにも絶えられなくなって叫んじゃったわ」

「鼻はすすらずにかみましょう!」って。

初冬のミラノ。風邪にやられた日本人の生徒たちが
授業中いっせいにズルズルの合唱をはじめたそう。
それ以降、箱ティッシュをクラスに設置したとか(苦笑)。

人前で鼻をかむことの方を躊躇しがちな日本人ですが、
イタリアでは (に限らず、欧米では) 電車の中でも、
授業中でも、人前で鼻をかむのはまぁまぁ許容範囲。
すするくらいなら思いきりかんでしまうべきなのです。

イタリア暮らしが長い私も電車の中の鼻ズルズル音
は非常に気になります。ついでにブーツやヒールを
スリッパのように引きずりながら歩く音も。
(あれは欧米では非常に品がなくうつります)

同じようにタブーとされていること。

ハンカチや手ぬぐいの類は人に贈らない。
(涙を拭うものなので悲しいことが起こるとされる)

ナイフや針などの人を傷つける類いのものも避ける。
(関係にヒビがはいる。傷がつく)

これらのものを受け取ったらプレゼントにならない
ように形としてお金を払うのが習慣になっています。
私もセラミックのナイフをプレゼントしたら
50セントをもらったことが (形だけだから少額でOK)。

それから、イタリア人が日本に来て嫌がるのは、
靴を脱ぐ場所(店)へ連れていかれることです。
友人の家など個人のお宅は仕方がないとしても、
そういう類いの店は避けた方が無難でしょう。

さらに彼等にとってどうにも堪え難いのは、
スリッパを勧められること。不特定多数の人が
履いたスリッパを使うなんて想像を絶するほど
気持ち悪いみたいですよ(苦笑)。
イタリア人をお家に招待したらスリッパはなしで!

アッティコ・ローマ
村本幸枝