イタリア男、昔と今

TV撮影のロケハン(下見)中、ナポリでのこと。
日本から来たディレクターがロケバスのドライバーG君に
「イタリア人はナンパとか、するんですか?」と質問。

「もちろん!若い頃はよくしたなぁ〜」しみじみとG君。
(彼は既婚者で娘が一人いるが31歳とまだ若い)

彼曰く、ナポリ式若者のナンパ術はスクーターで
夕暮れ時の街へ繰り出し、通りを歩いている可愛い
女の子を見つけたら彼女の前でスクーターを止め…。

「君、可愛いね!もっと君のことが深く知りたいな」
そう声をかけるのだとか (苦笑)。
もちろん、無視されることもあるし、
電話番号入手までこぎ着けることもあるらしい。
(ちなみに彼は奥さんとナンパで知り合ったそう)

でも、最近、そういう果敢(?)な若者は
イタリアでもあまり見かけなくなりました。
それでもナポリにはまだ少しは存在するのかな…。

昔はよく目にしたものです。

美しい生脚をさらけ出して歩くミニスカ女性を
食い入るように目で追う老若イタリア男たち。
夜の街を散歩する女性同士のグループに
しつこく絡む若者たち。
「Bella! (美しい)、Stupenda! (素晴らしい)」と、
通りを歩く見知らぬ女性を絶賛する男たち。

ある統計によると、イタリアでもっとも人気のある
出会い系サイトをきっかけに誕生するカップルは
週300組み近くだそう。多くは30歳を過ぎた男女。

自由になる時間が少ない。
理想の相手がまわりにいない。
日常に変化がなく新しい出会いがない。
ドキドキするような恋がしたいけど、
現実の生活環境では無理…というのがその理由。

手っ取り早く出会える反面、破局もスピーディなのが、
出会い系で知り合ったカップルの特徴らしいですが、
なかには幸せを掴んだ人もいるそうです。
実際、私のまわりにもそういう友人が何名かいます。

とは言え、
「ラテンラバー」「カサノヴァ」「ドン ジョヴァンニ」。
軟派系キャラを欲しいままにしてきたイタリア男たちが
出会い系サイトに走るのはかなり悲しいかも…。

アッティコ・ローマ
村本幸枝