イタリアでの地震報道

昨日、日本を襲った大地震については、イタリアでも連日、
報道が続いています。ご家族、お知り合いに被害のあった方、
心痛お察し申し上げます。

アッティコ会員の皆さん、メール会員の皆さんの中には、
昨日の夜はご自宅に戻れず、外で過ごされたとの情報も
日本から受けております。本当に大変でしたね…。

私が日本で大地震が起きたことを知ったのは、
昨日の朝一番に電話をくれたイタリア人の友人からでした。

彼は2年前の4月、イタリアのラクイラを襲った地震の被害者です。
家族全員無事でしたが、家は崩壊。その後、ラクイラを離れ、
当時移り住んだペスカーラで今も暮らしています。

『地震がいかに悲惨なものかを身を以て体験しているから』と、
真っ先に連絡をくれたのでした。それから、なんと数多くの
イタリア人が電話をくれたことでしょう…。

何年も連絡が途絶えていた友人、それほど親しいわけでもない知人、
現在仕事で関わっている、しかも、電話でしか話したことのない、
イタリア国鉄の広報担当官まで…。
イタリア人のこういう時のハートの暖かさにはぐっと来るものがあります。

家族は大丈夫だった?と、やはり電話をくれたイタリア外務省
緊急対策部に勤務する友人によると、イタリア外務省は
イタリア国民に対し、日本行きを避けるようにとの通達を、
正式に出すそうです。

また、つい先ほどのイタリアSky ニュースでは、
ヴィンチェンツォ・ペトローネ在日本国イタリア大使が電話で、
日本に住むほとんどのイタリア人の無事が確認できたが、内、
東北地方に住む20名弱の人々とはまだ音信不通だと、話していました。
イタリアに住む彼らの家族のことを考えると胸が痛みます。

でも、外務省の友人曰く、大使は元外務省緊急対策部を指揮して
いた方なので、非常事態の対応に慣れているから安心できる、と
語っていました。

イタリアでの主な情報源は、在東京の特派員ピオ・デミリアの報道です。
先ほどもライブで、現在、福島へ移動中で、原発50km弱の手前まで
来ていると伝えていました。進めるところまで進んでみると…。

逆方向の福島から東京方面への道路はかなり渋滞しているが、
我れ先にと割り込む人も、パニックで慌てる人もいなく、
日本人の『素晴らしさ』『冷静さ』を、絶賛していました。

イタリアでの現在の報道はもっぱら福島第一原発の爆発による
後々の被害についての懸念です。枝野官房長官の記者会見は
こちらでも流れていましたが『爆発は原子炉内のものではなく、
大きな影響はない』とのコメントについて、もう少し様子を見る
必要がある、というのがイタリアの専門家による見解のようです。

どのイタリア人にも(テレビでも、ラジオでも、友人からも)
共通するコメントは、
『これがイタリアだったらすべては崩壊し、人々はパニックに
陥り、収集がつかなかったと思う。日本人は本当に凄い』

これからは復興に向け、みんなが力を合わせ、日本人のさらなる
素晴らしさと力強さを、世界に対して示すべきときですね。

まだ、余震が続いているとのことですが、
皆さん、気を緩めず、どうぞ気をつけてお過ごし下さい。

イタリア、ラクイラの地震関連コラム1

イタリア、ラクイラの地震関連コラム2

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アッティコ・ローマ
村本幸枝