日本式風呂 in Italia

ユーロ安の内にイタリアの自宅のお風呂を日本式にしようと
現在、計画中です。日本式のお風呂というのは、つまり、
バスタブの外でシャワーが浴びられるようにし、
座ってちょうど肩までつかれるバスタブに変えること。

私は大のお風呂好きなのですが、西洋式のお風呂だと、
バスタブにはったお湯につかった後、栓を抜いて排水して
からシャワーを浴びることになってしまいます。
シャワー後またお湯につかりたくても溜めたお湯はすでになし。

しかも、家のバスタブは長くて浅い。
タブが浅いから全身お湯につかろうとすれば寝湯するしかない。
でも、長いバスタブの中では、のんびりお湯につかろうとしても
ちょっと気を緩めるとするんと滑って顔面も湯船の中にすっぽり。

私の身長とほぼ変わらないバスタブの中で顔面浸水を避けるには
届くか届かないつま先に力を入れ、ひたすらバスタブを押さえる
しか方法はないのです…。

いっぽう頭部はお湯につかっている体とほぼ直角状態。
これじゃあ、つま先はつかれるわ、肩は凝るわで、
湯船に浸かる意味まったくなし…(泣)。
お風呂好きの私には大変ストレスなのであります。

で、友人のインテリアデザイナーに相談して、設計図を
引いてもらい、日本っぽいバスタブを探してもらったところ、
数日後、彼から『ちょっと高いけどあったよ、
ヴァスカ・ジャッポネーゼ(日本式湯船)♪』との連絡が。

早速、カタログを見に行った私は絶句。
このふたつ、と言って彼が差し出した湯船のひとつは、
変ちょこりんなひょうたん型をした超大型のバスタブ、
もうひとつは釜の形をした、なんちゃって五右衛門風呂。
しかも、両方とも5000ユーロ近く(50万円以上)!

その後、自分なりに検索してみても、なんだかちっとも
ピンと来るものが見つからず。檜とかじゃなくって、
座ってちょうどいいくらいの少し大きめなふつ〜うの
バスタブがほしいのに、その普通がないんですよね。

カタログを見て声を失っている私に彼が言ったひとことは、
『日本からかついで持ってくれば?』。

道は遠し、日本式風呂。でも、頑張る!

アッティコ・ローマ
村本幸枝