ローマ市長の暴言?!

先日、ミラノで行われた『未来の家族を考える会議』に出席した
アレマンノ・ローマ市長が『シングルやゲイカップル、子供のいない
家庭に課税してみんなで子だくさんの家庭を支えるべき』と発言し、
ブーイングの嵐が吹き荒れております。

少子化・高齢化はイタリアでも深刻な問題。
イタリアは日本よりも移民の受け入れ態勢が整っているので、実際は
国内の若い層が減っているわけではないようですが、このまま続くと
純粋な(?)イタリア人とイタリア国籍を持つ移民の数がほぼ同じになる
可能性もあるそう。実際、ローマ市内の小学生の10名に1名は移民の
子供という統計結果も出ています。

アレマンノ市長は生粋の右思想。
市民全員を平等に満足させるような政治は不可能。
国のために子供を生んでくれる家族をみんなで守り支えよう。
シングルは出費も一人分だし、ゲイカップルは子供を持てないし
(実際はゲイカップルでも子供のいる家庭はありますが…)、
犠牲になって下さい、というのが、市長の言い分です。
(私なんてまっさきに課税対象リスト上位に入ります…苦笑)

ブーイングを浴びたアレマンノ市長と対照的に拍手喝采を浴びた
エミリアーノ・バリ市長の意見は下記のとおり。

『この不況下において、シングル、ゲイに関わらず国民全員が将来に
対して不安を抱いている状況の中、トラディショナルな家族の形を
取り戻すために、家族を持たない人に課税を、そして、そのことで
子だくさんの家庭が増えるという考え方はあまりに安易。
今の時代にあった家族のあり方を根本的に見直す必要があるのでは』

さぁ、あなたの意見はどちら?
(聞くまでもないですかね)

ネットに寄せられた一般の人々の意見でも軍配はバリ市長に、
というよりも、ローマ市長へのブーイングがほとんどです。
『Fascista ! (ファシスト)』
『Sindachetto ! (能力のない市長)』の呼びかけから始まり、
『課税を考えるなら、まず市の無駄遣いを正せ!』
まとめるとこういう感じになります。
政治ネタになると、どこかの国とやっぱり似ている…。
(日伊文化交流…じゃなくて、日伊政治交流…? )

そうそう、お騒がせイタリア首相の失言はこちらから!

アッティコ・ローマ
村本幸枝