先日、スクーターでローマのルンゴテヴェレ(テヴェレ川沿いの大通り)
を走っていたら、後ろから真っ赤なボディコンシャスのワンピースに白い
ミュールを履き、長い髪をなびかせながらロマーナ(ローマの女性)が、
さっそうとスクーターで登場。
風になびくワンピースのスリットから大胆に覗く日焼けした小麦色の太
もも、大きく開いた胸元で光るゴールドのペンダント。同性の私が見て
も、思わず目を向けてしまうほどappariscente(派手やか)。
でも、ローマでそういう女性に出くわしたら何が面白いかって、周辺の
男性の様子ほど、笑えるものはありません。
たまたまその時、やはりルンゴテヴェレを走っていた軍用車の中の若い
ミリタリーの男たちは、もう窓に張り付かんばかりの勢いで、ある者は
ぽかーんと口を開け、ある者は鼻の下を伸ばしてニタニタ笑いながら、
ただひたすら彼女の行方を目で追っています。
ずっと以前、ローマに来たばかりの頃、ある男友達とバールの屋外テー
ブルでお茶をしていたら、その前をやはりものすごいスリットの入った
スカートをはいた女性が通りかかり、屋外テーブルにいた男性全員の顔
が(爺さんもです)、いっせいに右から左に流れたのを見て、CMのワン
シーンのようだと感心したことがありました。
それがあまりに可笑しくて、その女性が再び引き返してこちらの方向に
歩いてきた時に、その男友達に「ねぇ、ねぇ、あっちから女性が来る
じゃない。彼女がここを通り過ぎる時にさぁ、ここにいる男たちを観察
していると笑えるよ」と、彼に言ったら「OK!」と言っていたにもかか
わらず、その彼自身も蓋を開けたら「左から右、首流れ組」のひとりだ
ったのです。
あれはどうやっても抗えない彼等のDNAに組み込まれているものなん
ですね、きっと。それでも、最近は女性に押され気味で、淡泊になりつ
つあるイタリア男性ですが。。。