イタリアの我が家に日本式のお風呂を…完結編

こんな小さなバスルーム、ちょろい、ちょろ〜い。
1週間もかからないで終わるさ!

そんな水道屋の甘い言葉に騙され、いずれはやらなきゃ、
と思いつつも横目にしながら放っておいた使用不可能の
我が家のサブバスルーム。

改装工事をはじめてからほぼ手つかずのまま1週間が過ぎ。
左官屋にはベッドルームの壁まで壊され、水道屋の誤算
で発注したトイレは危うく設置できない状況に陥り、
その間に大雪が降り、慣れない雪かきをするために屋根
へと上った大工はそこから滑り落ちヘリで病院に運ばれ。

お店から届いたタイルは定員の計算違いで数が足りず、
取り付けたシャワーは四方八方から水漏れ。
返品して取り替えてもらったシャワーも同じく水漏れ。
洗面台の上の棚は我が家に到着した時点で傷がついており。

かつて我が家にこれだけ人の出入りがあっただろうか、
と思うほど、毎日いろいろな業者が出たり入ったり。
内、突っ立って作業を見ているだけの人もいたりして。

あれで商売になるんだろうか…と疑問を抱きつつも
これで商売になっちゃうんだ〜と感心したり。

帰国直前ぎりぎりで完成したバスルームでシャワーを
浴びる時間は結局なく、イタリアを出発する朝、ほぼ
意地でトイレを1回使用しただけに終わりました(苦笑)。

一時は本当に終わりが来るのだろうか…と焦りましたが、
それなりに素敵なバスルームができてまぁ満足しています。

さらに、知人の日本人建築家に言わせれば、日本で同じ
ような素材で改装工事をしたら少なくとも3倍の値段
だよと言われ、それじゃあ文句は言えないか…と納得。
実はイタリアでもかなり破格の値段だったんです。

この教訓をしっかり心に刻み込み、本題であるメイン
のバスルーム年内改装工事に向けて頑張るぞー!
(そう、こっちの改装のためにサブバスルームを
ちょろっと直すつもりだったのに…)

ちなみにトイレを買っても便座とフタはもれなく付いて
こない、ということを知ったのも今回がはじめてでした。

お店の人曰く、
『だって便座とフタがいらないって人もいるでしょ』
(そんな人、いるんかい?!)
(あっ、いた! 便座もフタもないトイレがある家に
住んでいるカラブリアの友人が…)
そんなことを心でつぶやいた私でした…。

それまでのドタバタ劇はこちらから!

アッティコ・ローマ
村本幸枝