イタリアNOW

土曜夜の大統領官邸『クイリナーレ宮殿』の前は大騒ぎ。

『今日こそがイタリア解放の日!』
シャンパンボトルを掲げて歓喜に酔う反ベルルスコーニ派。

『シルヴィオ! シルヴィオ!』
声高らかにベルルスコーニ前首相を労うベルルスコーニ派。
(友人のつぶやき…あれはお金で買われてるな…苦笑)
とにかくまるで大晦日のカウントダウンのような大騒ぎ。

先週はじめ、事実上、内閣不信任案をつきつけられる
形になったベルルスコーニ首相。その前後あたりから
株価は暴落。イタリア国債の下落は止まらず、
国債取引の証拠金比率が過去最高を記録…。

11/7には交通機関のストがあり、11/8夜から11/11
までガソリンスタンドが休業するというので、慌てて
私もガソリンを満タンに(結局は回避されましたが)。

ただでさえ下がり続けていた銀行株はさらに暴落。
実はほんと〜に微々たるものですが、利用している
ミラノ・ポポラーレ銀行の株を私も100株ほど持って
いて時々チェックしては『どんどん下がってる…』と、
思いつつも、ほっぽり放しにしていたのです…。

数年前、銀行の担当者に『株価が下がっていて今が
買い時だよん』と勧められるままに購入したのですが
(前年1,100ユーロあたり⇒購入時850ユーロ)、
その後、株価が上がることはなく、徐々に下がり続け、
850ユーロが135ユーロになった時はさすがに
『この銀行、大丈夫か?』.と不安になったものです。

それがベルルスコーニ辞任表明後にネットで
チェックしたら『な、な、なんと34ユーロ!!!』
(1株34セントになっているではないですか…絶句)

パニック状態に陥り、銀行の口座を解約した人や
株売りに走った小口株主が続出したみたいで、
テレビのニュースでは『銀行から預金を引き出さない
ように』の通達が流れたほど。
(そんなこと言われると余計不安になるのにね)

元欧州委員でボッコーニ大学の学長だったこともある
エコノミスト、マリオ・モンティ氏の名前が次期首相
候補に上がってから、とりあえず、数日だけは市場も
落ちつきを取り戻したものの、再び下落に転じ…。

『スーパー・マリオ』の異名を持つらしいですから、
期待している人も多いようですが、ないところから
絞り出すのはスーパー・マリオにも無理。

消費税は上がるようだし(すでに現在20%!!!)、
ベルルスコーニ政権が廃止した固定資産税も再開
するみたいです(uuu…支払う税金が増える)。

南イタリアの失業率は20%を超え、
若者の3人に1人は職がなく、
18歳から30歳の4人に1人はニートと言われていて、
約44%の家庭が以前より貧困になったと感じている…らしい。

でも、なぜかみんな車を持っているし(しかも1人1台)、
人気のレストランはいっぱいだし、普通に生活している限り、
差し迫る危機感を感じないというのが正直なところ。
これから徐々にじわじわと日常生活に影響が出るのかも。

Datemi qualche notizia allegra !!!
(誰か、明るいニュースをくれ〜!)

アッティコ・ローマ
村本幸枝